후리가나로 읽는 일본 고전
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かんかんむしはうたう
かんかん虫は唄う
吉川 英治
吉川 英治의 かんかん虫は唄う(かんかんむしはうたう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 91,006자 · 182화면
「そんな事をしなくっても、チラと、おめえの姿を見せてやれば気がつくだろうぜ。プリンス、頼まあ」
「それだけか」と、トム公の影は海藻の中を泳ぐ縞鯛のように、ぴちぴちと、正確な針路を探って、青い庭園の闇をわけて行った。
別荘の日本間には、どこの座敷にも灯明がはいっていた。が、そこには客のすがたはなかった。噪音を辿って、トム公は洋館の窓から客間をのぞいてみた。
そこは、濁りきった空気と噪音を入れたガラス箱みたいに不透明である。泥酔した外人、すれッからしな通弁、芸者ガール、賓客も主人公側のものも、けじめなく踊り疲れ、飲み疲れて、長椅子の隅やあっちこっちに、とぐろを巻いているのだけがわかる。
日本人も幾人かいたが、騎手の島崎だけは見えなかった。帰ってしまったとすると、お光さんやみんなはずいぶん馬鹿な目を見るわけだ。
「どうしたんだろう?」
トムは窓を離れた。そこは、十歩を出ると本牧の海である。波打ぎわから咽せあがる汐の香が白く煙っている。洋館の屋根の風車は勢いよく旋っていた。
「日本間の方へ、茶を喫みに行ったのかも知らねえな。そうだ、きっと、そうだ」
裏庭の海べづたいに、彼は歩き出した。