후리가나로 읽는 일본 고전
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かんかんむしはうたう
かんかん虫は唄う
吉川 英治
吉川 英治의 かんかん虫は唄う(かんかんむしはうたう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 91,006자 · 182화면
「よせ!」
誰か、ノックしていた。
「奈都子さん?」
「ええ」
理平は、姪の顔を見ると、すぐ言った。
「奈都子、きょうは大隈伯のお顔を見せてやるぞ。前の総理大臣閣下、新聞でよりほか見たことはあるまい、御前様のお顔は」
「なんのご用事で行らっしゃるの」
奈都子は、やがて義父になる伯父と、生さない伯母の前に、一つずつ珈琲をおいた。
「そりゃ、商売じゃ」
「だって大隈さんは、石炭なんぞ、買わないでしょう」
「大隈さんに、石炭は売りつけられんよ、運動してもらうんじゃ、海軍の方へ。こんどの遠洋航海の艦隊だけでも、たいへんなもんだよ。また、生糸の方でも、いろいろといい便宜がある」
石炭と生糸の話になると、奈都子は、理平の顔が、石炭に見えたり、さなぎに見えたりして来た。開港場成功者は、みんなそうであったがこの伯父が昔、石炭かつぎをしていた頃の姿まで見えて来て、いやであった。
「伯母さん、きょう、どうなさるの」
「疲れているから、今、お断りしていたところなのよ。奈都子さんだって、大隈伯なんて、おじいちゃんの顔なぞ、見たくないわね」
「え……でも……何でしょう」
目交ぜで、クスリと笑っていると、理平は、新聞に眼を突かれたように、ガチリと、珈琲茶碗をおいて、