일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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かんかんむしはうたう

かんかん虫は唄う

吉川 英治

吉川 英治의 かんかん虫は唄う(かんかんむしはうたう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 91,006자 · 182화면

아오조라 문고

凱歌をあげた馬車はその勢いに駈られつつ、代官坂の下りへかかって、まるで、無軌道をゆく機関車みたいに、無鉄砲に、駈け降りた。

「やれ、やれ、どこまでも!」

鞭と警鈴は、乱暴者の気をあおるに持ってこいの伴奏だ。急坂の加速度への調節なしに疾走をつづけた。だが、坂の半ばまで来ると、彼らもやや狼狽して、

「あぶない! あぶない! あぶない!」

と、さけび出した。

馬は、疳を起したように、止まらなかった。いや止め得なかったのかも知れぬ。四ツの車輪は、壊れて飛ンじまいそうに、猛烈な回転をつづけながら坂の下へかかった。前は谷戸橋の袂で、すぐ海岸にちかい、大岡川の川口だった。

「わッ」

「トム!」

「早く出ろ!」

彼等はいッぺんに、馬車の両方へ跳び下りた。最後に――トム公が跳んで降りたすがたを認めると、大胆なる馭者は、びしりッと置土産にひと鞭くれて、谷戸橋のたもとで、ぽんと、地上へからだを交わした。

同時に――真っ暗な河の中へ、すさまじい音響と嘶きがとびこんでいた。水けむりが、橋のらんかんまで濡らした。川口の税関派出所のガラス戸が開いて、眠たげな監視の帽子が、びっくりして河の中をのぞき廻している頃――彼等の愚連隊は――水底に半ぶん沈没した馬車のすがたを、向う河岸にいて、ながめていた。