후리가나로 읽는 일본 고전
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さんごくし
三国志
吉川 英治
吉川 英治의 三国志(さんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 161,356자 · 323화면
「――否」
玄徳は、にことして答えた。
「彼のいうところは、彼らの中の真理であって、万民俗衆の真理ではない。この地上の全面を占めるものは億兆の民衆で、隠士高士のごときは、何人と数えられるほどしかおるまい。そういう少数の中だけでもてあそぶ真理なら、どんな理想でも唱えていられよう」
「それほど、治乱の理を、明らかにご承知でいながら、なんで長々と、崔州平の言などをつつしんで聞いておられたのですか」
「もしや? ……一言半句でも、そのうちに、世を救い万民の苦悩に通じることばでもあろうかと、あくまで語らせておいたのだが」
「ついに、ありませんでしたな」
「ない。……なかった。……それを聞かせてくれる人にわしは渇している。まだ見ぬ孔明に自分が求めてやまないのも、その声だ。その真理だ」
かくて、その日は、むなしく暮れたが、新野に帰城してから、数日の後、玄徳はまた人をやって、孔明の在否をうかがわせていた。
やがて、その者から報らせてきた。ここ一両日は、たしかに孔明は家に帰っているようです。すぐお出ましあれば、こんどこそ草廬に籠っておりましょう――と。
「さらば、今日にも」と、玄徳は急に、馬の具えや供の支度を命じた。