후리가나로 읽는 일본 고전
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あかくら
中谷宇吉郎集 第一巻
中谷 宇吉郎
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N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 107,056자 · 223화면
三六 昼寄席
三六 昼寄席
この話は先生の大学時代から学校を卒業されて間もない頃の、先生の御家庭の事情などがそのまま出ているので、書かない方が良いかとも思われるのであるが、これらの話は断片的には先生御自身で所々に書かれていることであるし、また先生は、夏目先生の資料を早く集めておいた方が良いということを話され、その時、どんなことでも材料は全部集めておいた方が、後に夏目先生を研究する人には大切な資料になるのだからと話しておられたことを思い出したので、書き止めておくことにする。
僕が初めて東京へ出てきた時は、銀座の商店に親類があったもので、そこから学校へ通ったのだ。そこの息子というのが遊び人でね、よく昼寄席なんかへ連れて行ってくれたものだった。その頃の昼寄席ときたら実に呑気なもので、大抵は広い客席にバラバラ位しか客がいなくて、それが皆話をききに行くのではなくて、昼寝をしに行くのだね。みんな浴衣掛けで団扇を持ってねているんだ。中にはグーグーいびきをかいているのもいる。それでも若い男が高座で何か一所懸命に語っているのだ。どうも今の世の中には到底存在の許されそうもない呑気なものだった。