후리가나로 읽는 일본 고전
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あかくら
中谷宇吉郎集 第一巻
中谷 宇吉郎
中谷 宇吉郎의 中谷宇吉郎集 第一巻(あかくら)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 107,056자 · 223화면
古い弟子達にはやはり旧の所が良いからね。印税のことをいえば、僕達旧い仲間は何だか先生に気の毒で仕様がないんだ。先生の生きておられる間は、始終自分の家を欲しい欲しいといっておられたのに、到頭亡くなられるまでその望みが叶えられなかった。生きておられる間に今の半分でも金が這入ったら良かったと思うが、それも仕方のないことだ。
先生が死なれてから、書斎は生前の通りちゃんと、本でも筆でも昔あったままにして保存してあるが、やはり主人がいないと何となく部屋まで淋しくなるね。全体にいぶしがかかったような気がする。あの部屋には例の象牙のブックナイフがまだ残っているはずだが、あれは先生確か『猫』の初めの原稿料だったか不意にあぶく銭が這入った時、先生子供のように嬉しがって買ってこられたものだった。あれは随分大事にされて、「本当の象牙はこうして鼻の脂を付けると、鼈甲色に透き通るようになるんだ」といいながら、始終鼻の横をあのナイフで撫でておられたものだった。段々垢がついて薄黒く汚くなっていたが、いつかどうしたことか、その大切なナイフの上の方にひびが入って困っておられたので、僕がナイフでその部分を切り取って丸く削ってあげたことがあった。