일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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けんなんじょなん

剣難女難

吉川 英治

吉川 英治의 剣難女難(けんなんじょなん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 243,807자 · 482화면

아오조라 문고

一刻ばかり経つと、俄かに冷たい風が吹きつのって来た。そしていつの間にか、あれ程な船の灯が川から影を消して、三味の流れも唄の声もない一面の寂寞に返ってしまった。

「あッいけねえ、お船手屋敷から暴風報らせの貝が鳴って来た。親分、今のうちに早く船を引ッ返しましょうか」

舳に出た乾分の駒蔵が、慌てた声でこう呶鳴ったが、命知らずを看板にしている町奴、殊には興に乗じている最中だから、そんなことに耳をかける者もない。船はもう隅田を越えて、綾瀬に近い所まで溯っていた。

すると、川上から帰りを急いでくる三艘の伝馬があった。灯を伏せているので、何者が乗っているか見定めがつかなかったが、故意か流れに押されてか、三艘とも、山一丸の胴の間へ、ドドンとばかり舳を突っかけて来た。

「アッ何だ」

と生不動を初め、船中残らず、揺り倒されて驚く途端に、今まで、酔いつぶれて寝込んでいた用心棒の金井一角がむッくり、起き上がったかと思うと、不意に船中の灯を取って、川の中へ投げ捨て初めた。

「おい何をするんだ」

乾分の利助がその手を押さえたが、既に船中は真ッ暗、おやと驚く刹那に大刀を抜き放った一角は、近寄って来た利助から真ッ先にグザと一太刀浴びせつけた。