후리가나로 읽는 일본 고전
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けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
吉川 英治의 剣難女難(けんなんじょなん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 243,807자 · 482화면
「ア、重蔵様!」
千浪はおどろいてその手に縋りついた。と重蔵もハッとして、笠のうちを覗いてきた彼女の瞳に瞳を落すと、その目は無言の辞をもって(こらえて下さい、対手が悪うござります、場所が悪うござります、大望のある身です)――とさまざまな意味を瞬間に訴えていた。
「ああ浅慮な……」
とすぐ思い返した重蔵は、尺八の手を緩めて、源七の前に小腰を屈めた。
「あいや源七殿とやら、この方が口不調法な頼み方、気に障ったらどうかゆるしてもらいたい」
「おきゃアがれ、今ふり上げた尺八はどうしたんだ。好きなご託を並べておきながら土壇場になってゆるせもねえもんだ。さッ擲れるものなら擲ってくれ、俺も笊組の風鈴の源七だ、尺八ぐれえに脅えたと云われちゃ、男が立たねえ、擲れッ、やいッ擲らねえか」
群集の環視につつまれて、退ッ引きならない破目に立った重蔵と千浪とは、今や、どこまで足許をつけ込んでくるこの無頼者の難題にまったく当惑してしまった。と、蓆囲いの蔭から、
「小屋の前で止しておくれよ、どっちが悪いのか知らないけれど、こっちの商売が上がったりじゃないか、ほんとに騒々しいッたらありゃあしない」