후리가나로 읽는 일본 고전
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けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
吉川 英治의 剣難女難(けんなんじょなん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 243,807자 · 482화면
そのうち所司代からの内達で、姉妹のうち一人を江戸城の大奥へ御中として差し上げまいかという下相談があった。光子の御方はすぐそれへ行くことを望んで出た。けれど父の為俊卿は、その時すでに、伊勢の神官藤波家へ光子を娶す約束がしてあったので、彼女の乞いを容れなかった。
その結果、当然妹の通子が選ばれて、行装美々しく江戸表へ向った。将軍家づきの御中※(「藹」の「言」に代えて「月」、第3水準1-91-26)として、大奥に仕える身となった通子は、間もなく、天麗の美質を家綱に見出され、その愛妾となり、四代将軍の寵を一身にあつめ、千代田城に時めく栄耀の人となった。
それに引更えて、光子の御方が嫁いだ藤波家は、伊勢の神職の公卿で至って侘しい家庭だった。のみならず選ばれた良人の教忠卿は、非常な病身である上、下冷泉家で借財があったため、御方の父が嫌と云えずに、嫁がせたのだという事情も後に知った。
御方は、財宝の贄となった身の不遇を呪い、父の為俊卿をも恨めしく思った。そして、その頃はもう千代田城に栄華を尽している妹の文便を見る度に羨ましくてならなかった。が、冷たい夫婦仲、心に染まぬ家庭の人となっている間も一年余りに過ぎなかった。