일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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けんなんじょなん

剣難女難

吉川 英治

吉川 英治의 剣難女難(けんなんじょなん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 243,807자 · 482화면

아오조라 문고

予はそれだけが心待ちでならぬ。それまで、如何なる恥かしめを京極家から受けてもジッと忍んでいる忠房じゃ」

「は……はい」

新九郎は面を上げることができなかった。――いや、彼自身の苦痛より、側にいた千浪と重蔵の方が、より以上の苦痛を覚えているであろう。忠房はさらに新九郎を見据えて、

「聞いての通りな次第で、そちの身には危険が迫っている。殊に大事な大望を抱く体、この上とも修行に精進してくれい。そして夜に入ったら、密かに裏門から遁れ出よ、オオ、これは重蔵と千浪にきっと頼んでおくぞ、それまでは打ち寛いで積る話など致すがよい」

忠房はこう言って、奥の居間へ姿を隠してしまった。――と、重蔵も千浪にせして、素気なく席を立ち上がり、引き止める間もなくスススと廊下のむこうへ出て行ってしまった。

あとにただ一人取り残された新九郎は、寂然と腕拱いたまま、しばらく瞑目していたが、やがて何思ったか、銀の銚子から大盃へ手酌で幾杯となく飲み干した。

新九郎はさっき心の裡で、密かに死を決したのだ。潔く京極家へ命をくれて、松平家の禍いを未然に防がなければなるまいと思い詰めているのである。