후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
吉川 英治의 剣難女難(けんなんじょなん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 243,807자 · 482화면
二人の恋は如意輪寺裏の梅月夜から、春が桜を散らすまでになったよりはやく、いつか灼熱して行ったのであった。
二人は熱鬧の中を遁れて、ゆく春の静かな山路を福知山へ向って歩いた。少し離れた後から従いて行く女中のお常は、伊達若衆の新九郎の腰にきらめく太刀の鐺と、金糸銀糸の千浪の帯とが並んで行く後ろ姿を妬ましく見た。
「新九郎様、もうお顔はいつもに変らぬお色になりましたが、ご気分ははれましたか」
「いつか忘れたようでござる。先ほど声をかけられた時は、まるで夢心地でござりましたが……」
「ほんにどうしたことでござりましたろう……」
「よくよく武芸事には性があわぬと見えまする――それはそうと、まだ早うござるゆえ、どこかその辺で少し憩みましょうか」
三人は道の傍らにあった辻堂の縁へ腰を下ろした。お常は日傘を受け取ってつぼめた。――程よくあたりに茂った糸柳は、ちょうど人目を遮るによかった。
瑠璃の空に弧を描いた久摩の峯や、群青の岩絵具を盛り上げた筒井峠、由良の流れは繭糸をくずしたように山裾をめぐっていた――その広やかな視野からあつまって来る風が、この辻堂の縁へ来てさっと遅咲きの牡丹桜を二人の上へ振り舞わせる。