일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

ja-reading.com

후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

はるかなたび

原民喜戦後全小説

原 民喜

原 民喜의 原民喜戦後全小説(はるかなたび)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 60,577자 · 124화면

아오조라 문고

僕の父の顔に嶮しい翳が差すことを、僕は十位のときから知っていた。恰度、雷雨がやって来そうになる前の空模様とか、遽かに光線の加減が変って死相を帯びる叢の姿にそっくりそれは似ていた。よく僕は真昼の家のうちが薄暗くなると、脅えて藻掻くような気持に駆られるのだったが、時どき僕の父も何かに駆られてもがいているような不思議な顔をしていた。しかし、父はもう真暗なものを通り越していたのだった。二ヵ月あまり熱病で魘されていた父は、やがて病床を離れると、雷雨の去った後のように爽やかな気分が訪れた。僕はもう父が死ぬるとは考えてもみなかった。父は快活に振舞っていたし、僕も明るい子供だった。だが、そういう家のうちの空気が二三年するとまた妙にこじれて来た。父は旅に出て行ったし、母は心配相な顔をして父のことを話しだした。僕は薄光りする台所の板の間に立っていた。何か心配なことを話すとき母はいつもそこにいるのだったが、すると、ほんとうに台所の窓は薄暗くなってゆくようだった。それから間もなく母も旅に出て行った。母は父に追いついて看護のために出かけて行ったのだった。僕は母が家のうちからいなくなると、だんだん不機嫌になった。