일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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はるかなたび

原民喜戦後全小説

原 民喜

原 民喜의 原民喜戦後全小説(はるかなたび)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 60,577자 · 124화면

아오조라 문고

その抽斗の中にはテイプとか、ハトメ、肩章、襟章などが一杯詰っているのだったがたまたま、赤い紙にぎっしり並べられた釦の一組が彼の目についた。その銀色のキラキラする釦の一つの中には静三の顔が小さく写っていた。それから更に気がつくとどの釦の中にも彼の顔が――その少し歪んで縮まった大勢の顔は静三が口をあければ、やはり赤い小さな唇を動かし静三の吃驚した眼より更に吃驚したような眼つきで、――映っているのであった。……だが、この発見よりもっと素晴しかったのは、電話室の中で見つけた一葉の色刷写真であった。はじめ修造が見つけたのを奪いとって眺めているといきなり静三の魂を惹きつけてしまった。それは軍楽隊の服装を撮った写真であったが、綺麗な服装ときらびやかな楽器の中央に立って、指揮棒を振っている隊長の姿は、烈しい憧憬を静三に植えつけてしまった。「軍楽隊長、軍楽隊長」と彼は弟の修造と囁き合った。同じような熱狂が弟の眼にも宿り、二人はどうかして、すぐにも軍楽隊長になりたかった。静三はよく小さな紙片に軍楽隊の絵を描いては娯しんだ。その小さな絵の中から幽かに音楽がきこえて来そうな気がした。