일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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はるかなたび

原民喜戦後全小説

原 民喜

原 民喜의 原民喜戦後全小説(はるかなたび)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 60,577자 · 124화면

아오조라 문고

静三の高まってゆく気分を、うまく繰展げてくれたのは、店から工場の方へ行く道であった。静三は工場の畑に花をとりに行こうと思うと、そう思うと、すぐ店から工場までの四五町の距離がわくわくと彼の足許で躍りだすのであった。一緒に従いて来る修造も気負っていたし、彼はいつも新しい冒険のなかに突入して行くような気持にされた。それで、表通を曲って、柳の植わっている見とおしのいい小路へ出ると、忽ち彼等はひた走りに走りだしたいような衝動に駆られる。頭の上の空には真白い雲の峰がキラキラ燃えていたし、足許の土はむっと熱かった。それから、しーんとした袋路へ入ると、草いきれや土くれのにおいが低く渦巻いていて、黒いタイル塗りの粗末な門の向に、トタン屋根の上のポプラはギラギラとそよいでいる。粗末な門をくぐると、すぐ前が花畑になっているのだが、静三にはそのなかから見つけて持って帰る素晴しい花が隠されているのがわかっていた。……静三の眼は焼杭をめぐらした柵に添って走り廻った。向の荒地には大きな蓼や帚木が伸び放題になっている。そしてここには静三が幼い時からの数えきれない記憶があった。