후리가나로 읽는 일본 고전
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おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
吉川 英治의 大岡越前(おおおかえちぜん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 218,436자 · 437화면
人間は簡単に変るものだ。彼という一個もそれを実証している。
人間の肉体には、いまでも、尻ッ尾のあった時代の痕がある。人間の遠祖は、まぎれもなく動物だった。その動物が、人間らしい社会をもち、文化をもち、道徳や宗教や文学や美術や音楽を誇る人間となるまでには、何千年もの時と、そして全体の努力が、かかって来ている。
けれど、数千年の進歩も、実はまだ、尻ッ尾の痕のある人間だけに、大きな社会的堕落を来すと、一足飛びに、もとの原始人へ還元してしまう可能性は多分にある。
悪政の社会のどん底をのぞけばわかる。そこにうようよしている群れは、今日の人間から原始の人間へ逆もどりした本来の生態にすぎない。あれを見て一般人が、他人事と思うなら間違いである。自分にも、尻ッ尾の痕があることを考えてみなければならない。
――その点で、大亀も市十郎も、正直者だといえないこともない。二人とも自分の尻ッ尾を充分にむき出してしまった人間だからだ。しかし、市十郎はそれを苦悶し、大亀はむしろそれを得意にしていた。
「於市。飲めよ。もっと飲まねえかよ」
「酒。……酒は、もう、たくさんだ」
「飯は」