후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠1(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,314자 · 398화면
人の言うところには、丹後守は、弓馬刀槍の武芸に精通し、和漢内外の書物を読みつくし、その上、近頃は阿蘭陀の学問を調べていると。なるほど、丹後守は幼少からこの邸を離れたことがなく、ほとんど終日、書斎に籠りがちで、祖先以来伝えられた和漢の書物と、自分が買い入れた書物とは、蔵にも室にも山をなしているのであるから、一日に五冊を読むとしても、仮りに五十年と見積れば十万冊は読んでいる勘定になります。
武芸に至っては、どうも怪しい。家には先祖から道場があって、これも幼少の頃から、宝蔵院の槍、柳生流の太刀筋をことに精出して学んだとはいうが、誰も丹後守と試合をした者もなし、表立って手腕を表わした機会もないから、事実どのくらい出来るやを知っているものはないのです。
ただ一度、どこかの藩の権者が、この三輪明神の境内へ逸り切った馬を乗入れようとした時に、通り合せた丹後守がその轡づらを取り、馬の首を逆に廻したことがある――馬上の武士は怒って、鞭を振り上げて丹後守を打とうとした時に、何のはずみか真逆さまに鞍壺から転げ落ちて、馬は棹立ちになった。
なにげなき体でそのまま行き過ぎる丹後守の後ろ姿を見て、落馬の武士も、附添の者も、これを追いかける勢いがなかった、それを町の者が見て舌を捲いたことがある。