후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠1(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,314자 · 398화면
お豊はその足音に気がついて、人目を避けたい身の上ですから、隠れるようにそこを立去ろうとしたが、杉から右の方、二間ばかりのところに、じっと立ち止まって、こちらを見ていた竜之助の面を一目見たが、我知らずまた見直すのでありました。
二人の面と面とが、まともに向き合わせられた時に、お豊は、
「あの、あなた様は……」
何かに圧えられたように、こう言ってしまいました。
「あ、関の宿でお見受け申した……」
竜之助は、お豊の姿からちっとも眼をはなさずに、ずっと近寄って来ます。
「はい、あの節は難儀をお助け下さいまして」
「ああ、そうであったか、実はどこぞでお見かけ申したようじゃと、さいぜんからここで考えておりました」
「存じませぬこと故、甚だ失礼致しました」
「いや、拙者こそ……」
竜之助は、いつもの通り感情の動かない顔で、
「しかし、そなた様をこの世でお見かけ申そうとは思わなかった」
「え……」
「あの若い、おつれの方はどうしました」
お豊は露出にこう言いかけられて面が真紅になります。わが隠し事を腸まで見透かされた狼狽から、俯向いてしまってにわかには言葉も出ない、足も立ちすくんでしまった様子であります。