후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠1(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,314자 · 398화면
血が迸って眼へ入る。
「野郎、また斬ったな」
「アッ、苦しい、お豊……お豊さあーん」
向うが苦しがれば苦しがるほど、こっちが苦しい。
「ア痛ッ」
鍛冶倉は眼へ血が入ったので、夢中になって、金蔵の首へかけた縄は放さずに小舎の外へ転がり出す。金蔵はそれに引っぱられて、
「ああ苦しい!」
もう息の根が止まりそうである。断末魔の勇気でまた斬りつけたのが鍛冶倉の肩先。
「あッ、また斬りやがった」
鍛冶倉は外へのり出して、谷水の傍の岩角へ打倒れたが、起き直ってめくら探しに金蔵の傍へよる。
「野郎、飛んでもねえ、呑んでかかったのがこっちの落度だ……覚えてろ、よくも俺を斬りやがったな」
細引をもう一捲き、金蔵の首に捲いた時は、乳のあたりをまた深く一つ。
「あッ痛っ!」
今度のはいちばん痛そうであったが、
「アッ苦しい!」
金蔵の方も、これがいちばん苦しそうであった。この一言で双方の力がグッタリ尽きた。
お豊はこの騒ぎで、もう前から気絶している、つづいて二人はこんなことをして息が絶えてしまった。それで小屋の中が森閑したところへ七兵衛が水を呑みに下りて来たのでした。だから七兵衛は、ちょうどこれらの連中を始末するためにここへ下りて来たようなことになりました。