일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ならしげざっぴつ

小出楢重随筆集

小出 楢重

小出 楢重의 小出楢重随筆集(ならしげざっぴつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 334,351자 · 657화면

아오조라 문고

今や発車せんとする汽車を見ながらプラットフォームを急ぐ時の私の心は情けない。途中にブリッジでもあれば、乗れる汽車でも乗れなくなることがある。

私が有楽町の細い横丁の二階を借りていた頃、四、五軒さきの家から火が出たことがあった。その時、私はあらゆる人が狂気の如く走っている中を、私は猛烈な火の手を眺めながらブラブラと散歩の如く逃げ出したことを覚えている。皆が走っている時に、自分だけが歩いていると前から押され、後から突かれて、大変私が往来の邪魔になりつつあることを感じた。といってこんな場合、たんに驚いているだけでも私の心臓は充分であるのに、それ以上走るなどいうことはとうてい私の世帯が許さない芸当であった。

例の大地震の時なども、ちょうど私の泊っていた宿が白木屋の横丁であったから、もし宿にいて、地震の時刻が夜中ででもあったとしたら、随分私は辛い目に遇ったことかも知れない。ことによっては震火の中をうろうろと散歩しながら煙と化したかも知れない。

幸いにもあの日は二科の招待日であったから、上野公園というまず理想的な避難所に初めからいたために、私はただ驚いていさえすればそれでよかった。