일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ならしげざっぴつ

小出楢重随筆集

小出 楢重

小出 楢重의 小出楢重随筆集(ならしげざっぴつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 334,351자 · 657화면

아오조라 문고

殊に南仏カアニュにいた時などはその村に一軒の湯屋もなく私の宿にも湯殿はなかった。女中に訊ねて見ると、この村では一生風呂へ入らぬものが多いといっていた。その女中自身もまだ風呂の味は知らないらしかった。私は半月に一度くらいはヴァンスから来る乗合自動車で二十分を費してニースの町まで出かけたものだった。そこには二、三軒の湯屋があった。汗の乾かぬうちに、シャツと洋服とオーバーを着て、ちょっとの用達しと散歩をして帰るのであるが、途中で湯冷めがして、全身の皮が一枚剥落してしまったくらいの寒さを感じたものであった。

私は入浴をうるさがるが、しかし風呂の味は厭ではない。殊に町の風呂屋は、町内浮世の混浴であるがために、その味は殊に深いものがある。

私は思いついた時勝負で風呂へ飛んで行くので、朝風呂、昼、夜の仕舞風呂の差別がない。朝風呂にはさも朝風呂らしい男が大勢来ているし、昼には昼の顔があり、夜は丁稚、小僧、番頭、職人の類が私のいた島之内では多かった。

何杯も何杯も、頭から水をかぶって、遠慮なく飛沫を周囲へ飛ばせ、謡曲らしきものをうなりながら自由体操を行うところの脂ぎった男などは、朝風呂に多いのである。