일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ならしげざっぴつ

小出楢重随筆集

小出 楢重

小出 楢重의 小出楢重随筆集(ならしげざっぴつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 334,351자 · 657화면

아오조라 문고

するとそのうち、自分が球に乗り移ってしまい、自分自身がその階段を走っている気になってしまう。大体われわれは動くものには乗って見たくなるものである。

その頃は、今の如く電車が走っている世ではなかった。動くものは人力車位のものだった。今の少年やモボたちが、一目してあの車はキャデラックか何者かを識別する如く、私はその頃の人力車のあらゆる形式を覚えてしまった。殊に往診用の自用車というものに憧憬を持ったものである。そして毎日人力車の種々相を描く事を楽みとした。

もっと幼少の頃は、女中の背に乗って、毎日々々梅田と難波の停車場や踏切へ、汽車を眺めるべく、弁当を持って出張に及んだものである。

あまり毎日出張するので女中が、ひまな改札係や踏切番と大変親密になってしまったという話だが、どの程度に親しくしたものか背中の私には一向わからなかった。それはどうでもよいとして、私は今でもその頃の東京行きの機関車の形態を絵に現し得るだけの正確さを以て覚えている。

その後、初めて大阪市中に電車が現れた時、私はそのエキゾウチックなニス塗りの臭気と、ポールや車輪から、世にも新鮮な火花を発しつつ走って行く姿に見惚れ、私は学校への往復にはその満員になっている新らしい車体へしがみ付いて乗ったものである。