후리가나로 읽는 일본 고전
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
小出 楢重의 小出楢重随筆集(ならしげざっぴつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 334,351자 · 657화면
とにかく、この荘厳な亀は看板としてはかなり人の注意を惹く事において成功していたものに違いなかった。堺筋の亀の看板というと車屋でもヘイヘイといって直ぐ走り出したくらいである。そしてそのグロテスクな相貌は、よほど近所の子供たちにとってはおそろしいものの一つであったと見えて母や子守や父親が、泣いている子を私の家の前へ連れて来て、「それ見なはれ無理をいうと噛みまっせ噛ましまよか、さあどうだす」といっておどかしているのを私は常に店番をしながら眺めていたのである。
その亀は楠で作られてはいるが、永年の雨露にさらされ、頭だけは早く朽ちてしまうために、私の家の二階の納屋には古い頭が二つころがっていた。
彫刻師が誰であったか、何もかもが不明である。私の先祖の自伝の中にもこの亀については記していない処を見ると、あまり問題にもしていなかったのかも知れない。古い出ものがあったから看板によかろ、大きいから屋根へ上げて置けといっていたのかも知れない。
ところで近代の堺筋は外国の如くである。亀の住むべき屋根を奪ってしまい、長男の私を油絵描きにしてしまった。
私の弟が私に代って家伝の薬を継承してくれたことを私は心から感謝していいことである。