후리가나로 읽는 일본 고전
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
小出 楢重의 小出楢重随筆集(ならしげざっぴつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 334,351자 · 657화면
汽車も電車もない上に潮岬の難所を持った南紀の風景は、まだ生駒や六甲ではなかった。妖気と黒髪が持つであろうところの不思議を十分にまだ備えていた。しかし田辺の町へほんのちょっと降りて見て、直に私はその横町に道頓堀と同じレコードの伴奏によって赤玉を偲ばしめるであろうところの女給の横顔を認めることが出来た。頼もしくもまた悲しくもあった。
しかしながら更に南進して黒潮を乗切ると、もう人間の力は幽霊と妖気に降服してしまっていた。大洋と濃緑の山と草木の重々しき重なりの連続であり、殊に九里峡と瀞八丁の両岸に生い茂る草木こそは、なるほど人間と恋愛するかも知れないところの柳が今なお多く存在しているらしく、秋成の物語りは本当にあった事件の一つにちがいないと思わせた。
私が瀞八丁を尋ねた時は梅雨中のある猛烈な風雨の日だった。一丈あまりの出水でプロペラー船が出ないかも知れないとさえいわれた。従って瀞らしい風景は見られなかったが、とても濃緑の世界と陰鬱と物凄い水の力を眺めることが出来た。というと私も大変強そうだが内心もう船が出なければ幸いだろうと考えて見たりした。ところが、あるお蔭をもって、船が出るというのだ。