후리가나로 읽는 일본 고전
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
小出 楢重의 小出楢重随筆集(ならしげざっぴつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 334,351자 · 657화면
ところで最も困る問題は、私が常に東京にいない事だった。大概の小説が東京を中心として描かれているのだから、私が関西にいては、その日その日の原稿の往復に、どれだけ手数を要するか知れない上に絵を作る上からでも、例えば、誰れでもが知っている銀座のタイガアを道頓堀の美人座でごまかして置く訳には行かない。
新聞小説なら、原稿が三、四十回分でもすでに出来上ってさえいてくれたら、私がしばらくの間を東京で暮して仕上げてしまえば出来る訳であるが大概の場合、長編の原稿は、その日その日、一回分ずつ画家の方へ廻されてくるのであるから、到底地方に居据っていては出来る仕事ではないのであった。
そんな事や何かで、ついそのままになっていた処が、突然私は大阪朝日から邦枝完二氏の「雨中双景」の挿絵を頼まれたので、時代ものは背景の関係も尠いし、居据っていながら描けるので、つい引受けて見たのが挿絵を試みた最初だった。次に最近再び邦枝氏の「東洲斎写楽」を描く事になった。
それから谷崎潤一郎氏の「蓼喰う虫」だが、これは谷崎氏が私の家から近いのと、背景が主として阪神地方に限られている点から私は引受けても大丈夫だと考えた。