후리가나로 읽는 일본 고전
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あきかぜとはは
尾崎士郎短篇集
尾崎 士郎
尾崎 士郎의 尾崎士郎短篇集(あきかぜとはは)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 108,032자 · 216화면
そうでなかったらあの男があんなに懼れながら物を言う筈がない。そうだとすると、私はこの冬中、まるで外出することができなくなってしまうのだ。私は朝早く、よれよれの浴衣一枚で机の前に坐っていた彼の姿をおもいだした。すると、私はもうじっとしていることができなくなった。その姿は最早彼自身のものではなくなったのだ。そして、私の洋服を着たあの男は、彼の古い運命を垢じみたよれよれの浴衣とともに投げ棄てて新しい流動に身をまかせるために行衛をくらましてしまったのだ。
日暮れがたになったが彼は帰って来なかった。このうす暗い屋根裏の部屋は、今や私にとって運命の不幸を象徴する牢獄になってしまったのである。そういう考えに囚われながらも私の耳は非常な注意をもって階段の方から聞えてくるすべての物音に耳を澄ました。私の幻想は急に速度を加えはじめた。だが、そのとき私の耳はゆっくりゆっくりと階段をあがってくる靴の音をたしかに聞いたのである。私は衝動的に把手にとびついて扉をつきあけた。すると、廊下の暗闇から私は一人の人間が近づいてくるのをみとめたのである。間もなく、私は眼の前に背の低い一人の老人を見た。