후리가나로 읽는 일본 고전
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あきかぜとはは
尾崎士郎短篇集
尾崎 士郎
尾崎 士郎의 尾崎士郎短篇集(あきかぜとはは)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 108,032자 · 216화면
父の枕元には母と兄とほかに数人の人が坐っていた。
「お気の毒じゃったな。到頭死に目にお会いになれんかった」
わたしがその室へ入っていったとき、首をうなだれて坐っていた人たちは黙って同じ姿勢を続けていたが、横にいた人がわたしの耳に囁いたのを覚えている。それが、誰れであるかわからなかった。
心が落ちついてくるにつれて、父の死のために生ずるであろうわたしの生活の転変に対する不安が、すべての悲しみを追い退けて胸の中にひろがってきた。わたしは首をもたげて正面に坐っている兄の顔を見た。彼は青みがかったセルの単衣に対の羽織を着ていたが、そして、彼の眼には涙がたまっていたにもかかわらず、その顔には晴々とした生気が感ぜられた。彼の頭髪が綺麗にとかしつけてあることも、頬に青い剃りあとが残っていることも、兄の心の中に浮々とした余裕の残されていることを示していた。兄は父の死によってもたらされた彼自身の新しい運命を享楽しているようにさえ見える。わたしは不意に立ちあがって廊下へ出た。すると涙が溢れるように出てきた。
中庭に面した縁側に腰をかけていると兄が背ろから近づいてきた。