후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
しん・へいけものがたり
新・平家物語
吉川 英治
吉川 英治의 新・平家物語(しん・へいけものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 123,012자 · 245화면
しかし。――客たちは、馬を見ない。
縁にいならぶ人影の声なきひとみは、駒の口前から、静かに、こなたへ向かって礼をした女性にばかりそそがれていた。それは、渡の妻、袈裟にちがいないからである。
かの女は、かの女の良人がいいふらすほど、そう内気ばかりのはにかみやとも見えなかった。微笑をふくんで、客に一礼したあとは、馬と対して、客を見ない。きっと、馬の珠目(眉間)に向かい合って佇立し、両手で、口輪をおさえたまま、悍気のつよい秋の若駒をも、大地にすえて、びくとも、暴れるのは、ゆるさなかった。
月光のせいもあろうが、その横顔の線は、夢殿の飛鳥造りの観音を思わせる。手の指までの真白さ。長やかな黒髪は、青毛の毛づやも見劣るばかりである。たった今まで、召使に交って、厨の内で、煮焚きや水仕をしていたことは事実であろう。常の袿衣を、やや裾高にくくし、白と紫のひもを、裳に連れて垂れていた。
(……ああ。おれも、妻が持ちたい。どこかに、もうひとり、こんな女性はいないものか)
清盛は、自分ののみくだした唾の音に、思わず、顔をあからめた。あたまの中に、瑠璃子の顔がすぐうかんだ。