후리가나로 읽는 일본 고전
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しん・へいけものがたり
新・平家物語
吉川 英治
吉川 英治의 新・平家物語(しん・へいけものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 123,012자 · 245화면
広い築土のそとに、自分を見失っているかれの影が見られた。
『だめだ。……おれは、意気地がない』
わが家の築土は、越えもするが、ここの築土は、高く見える。
この中の、東の対ノ屋には、母の泰子が住んでいる。その母が、加茂の競馬でささやいた。……遊びにおいで、瑠璃子さまとも、よいお友達になれるであろうと。
加茂の桟敷で見た瑠璃子はきれいなひとだった。妄想の子の対象には高貴にすぎる姫である。母にことよせて、忍び寄れないこともあるまい。――と、恋ではなく、かれは妄想するのである。
しかしかれは、ここまで来ると、いつも勇気を欠いてしまう。卑下のためだと、自分でもわかる。ヨレヨレな布直垂に切れ草履の貧しげなる無位の地下人。かえりみては、つい、怯まずにいられない。
公卿輩の公達なかまでは、やごとなき摂家の姫君をすら、萩すすきの野ずえに担き盗み出しまいらせて、朝月のほの白むまで、露しとどな目にお遭わせして、人目密に、帰しまいらせたとか。――また、つれづれに、内裏の典侍や命婦のかよう廊ノ間に落し文をしておけば、その夜の忍ぶ手のまさぐりに、粘き黒髪と熱い唇が、伽羅などという焚き香の蒸るるにやあらんやみに待ちもうけていて、なかなか萎えがちな弱男などは、暁の鶏も待たで逃げ帰ってしまうほどであるなどというはなしも――めずらしくないほど