후리가나로 읽는 일본 고전
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しん・へいけものがたり
新・平家物語
吉川 英治
吉川 英治의 新・平家物語(しん・へいけものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 123,012자 · 245화면
『盛遠の追捕も、後日の詮議として、ほどほどに、ひとまず、止めさせては、どうか。凶相の馬を、渡に手飼わせたるは、忠盛の罪と申すが、ゆるしたのは、朕であった。お卿らが、山科道理をいいたてては、おかしいぞ。そうことあららげるな、余りには』
と、にが笑いのうちに、人びとを、なだめられた。
“山科道理”とは、当時の、はやり言葉の一つだった。山科興福寺の僧衆が、まいど、何千という大衆の示威をもって、柄のないところにムリな理屈をつけ、禁門や院へ強訴に押しよせてくる。これには、さきの上皇白河も手をやいて「朕が意にもままならぬもの、加茂川の水、すごろくの賽、叡山の荒法師」と嘆じられたこともある通り、ひとり叡山だけでなく、山科道理は公卿たちの最もおそれる横車なのである。
上皇の、この御一言に、うるさ方の公卿沙汰も、一応は、退きさがったが、しかし陰性は、即公卿性である。決して、熄んだわけではない。
ただし、盛遠詮議の辻立ちは、あすかぎりで止めよ、という院宣は、ただちに洛中各所の、武者の屯へ、つたえられた。
七日のあいだも、むなしく、みちみちの口に手勢を張って、盛遠追捕に、腐心していた武者所の面々は、この令に、恐懼もしたが、みな、がっかりした顔つきで、嘆じあった。