후리가나로 읽는 일본 고전
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しん・へいけものがたり
新・平家物語
吉川 英治
吉川 英治의 新・平家物語(しん・へいけものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 123,012자 · 245화면
鶏師は、さすがに、構えが良い。
闘うまえに、小冠者の鶏の精気を疲らしてしまおうという戦法だろう。落ちつき払って、
『さあ、お立会、ただ見ていても、つまるまい。賭け召されい。なんぼうでも、賭けてこそじゃぞ』
と、戯れ口半分に、まわりの顔を、見まわしていた。
銭の音がさかんに始まる。たちまち、判者だの、胴元なる者があらわれている。だが、鶏師の鶏にばかり賭けてが多く、小冠者への賭けは、はかばかしくない。
『よしっ、あとは、おれが賭けた』
清盛は、つい、どなってしまった。自分の声にはッとしてから、ふところの金をあらためた。さきごろ、馬を売って酒を買ったときの残余を、父忠盛は、出せとも見せろとも、いっていなかった。それがある。
『できた』
判者が、いう。とたんに、眼ばかりになった大勢の顔が、さあっと、すごみをつつんで、地を掘るように、一点を見つめた。
『小冠者。おぬしの、鶏の名は』
『獅子丸。……鶏師、おまえの鶏は』
『知らないか。黒金剛ッていうんだ。ゆくぞ』
『待った。合図は、判者がするものだ』
『小僧、生意気に、本格をいやがるな』
鶏と鶏は、もう、首をつき出して、人間ならば、逆上っている血相に見える。