후리가나로 읽는 일본 고전
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ほんじょりょうごく
本所両国
芥川 竜之介의 本所両国(ほんじょりょうごく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 21,005자 · 43화면
緑町、亀沢町
緑町、亀沢町
江東橋を渡った向うもやはりバラックばかりである。僕は円タクの窓越しに赤さびをふいたトタン屋根だのペンキ塗りの板目だのを見ながら確か明治四十三年にあった大水のことを思い出した。今日の本所は火事には会っても、洪水には会うことはないであろう。が、その時の大水は僕の記憶に残っているのでは一番水嵩の高いものだった。江東橋界隈の人々の第三中学校へ避難したのもやはりこの大水のあった時である。僕は江東橋を越えるにも一面に漲った泥水の中を泳いで行かなければならなかった……
「実際その時は大変でしたよ。尤も僕の家などは床の上へ水は来なかったけれども。」
「では浅い所もあったのですね?」
「緑町二丁目――かな。何でもあの辺は膝位まででしたがね。僕はSという友だちと一しょにその路地の奥にいるもう一人の友だちを見舞に行ったんです。するとSという友だちが溝の中へ落ちてしまってね……」
「ああ、水が出ていたから、溝のあることがわからなかったんですね。」
「ええ、――しかしSのやつは膝まで水の上に出ていたんです。それがあっという拍子に可なり深い溝だったと見え、水の上に出ているのは首だけになってしまったんでしょう。