후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 167,285자 · 330화면
と式部は云っていた、「表て高と実高の違うことは珍らしくはない、それについてとやかく云うつもりはないが、二千六百石は四年まえに加増されたもので、その新知の分にかなり問題があるんです」
甲斐は的をにらんで、矢をつがえた弓を、静かにあげた。式部は続けた。涌谷では、万治二年に加増されるまえから、しきりに新田を起こしていた。自分の領地は登米郡寺池で、涌谷の領地の北に接しているのだが、新田を起こすとき、涌谷では地境を侵して、自分の領内へ鍬をいれた。その事実は土着の百姓の訴えでわかり、自分は幾たびも抗議した。ところが、涌谷のほうでは逆に、こちらで地境を侵していると云いだし、桃生郡深谷と、遠田郡の小里村、また登米郡の赤生津の三カ所について、こちらの不法を挙げて来た、と式部は云った。
甲斐は弓を射た。弦が鳴り、矢は的に正中した。
「涌谷は表て高でも二万二千六百石、私はその半分の一万二千石です」と式部は云った、「私は年も若いし、領地を貰ったのも新らしい、涌谷は年功もあり、その領地も古いから、昔のことをもちだされると云い負かされてしまう、しかし涌谷のやりかたが無法だということは、現に土着の百姓が知っているので、私としても黙っているわけにはいかないんです」