일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 167,285자 · 330화면

아오조라 문고

それはすばやく近づいて来、やがて提灯の光が見えた。

「そっちが木戸です」

「この塀は廻ってゆけるか」

「天神のほうへ出られます」

そんな問答に続いて、すぐに、木戸があいていますと云うのと、叩いてみろと云うのが同時に聞えた。

新八は口をあいて喘いでい、からからに干あがった喉が、紙でも擦り合わせるような音をたてた。木戸をあけて、人を呼ぶ声がし、答える声がした。その問答のあいだに、一人がこっちへ来た。提灯の光が近づき、棒のような物で草むらを叩くのが聞え、それがさらに、こっちへ近づいて来た。新八は息を止めた。

「おい、提灯をみせろ」と云う声が、殆んど耳のそばで云われたように、新八に聞えた。新八は眼をつむった。棒で叩かれて、枯草が鳴り、灌木の枝の折れる音がした。だめだ、と新八は思った。

棒は彼のすぐうしろに届き、倒れた草が彼の着物に触れた。彼はちぢみあがった。だめだ、みつかった、と思い、そのとき木戸のほうから、「そっちはどうだ」と呼びかける声がして、いないようです、と答えながら、草の中へはいって来るけはいがした。

新八はとびあがった。

提灯の光と、草を踏みわけて来る、人のけはいとで、新八は逆上し、いきなりとびあがって、その男に躰当りをくれた。