일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 167,285자 · 330화면

아오조라 문고

甲斐も背丈は高いが、帯刀も高い。いまでも五尺五寸ちかくあるが、もっと伸びるだろう。顔は母親に似たようだが、躯つきや性格は父親のを受継いだらしく、その口ぶりも、動作も、おっとりと、老成してみえた。二人は樹蔭の草の上に、腰をおろしていた。そこは砦山の中腹で、東に面し、松林にかこまれていて、向うに船岡の町と、原田家の館のある丘が眺められた。

宇乃は館のほうを見ていた。彼女は十六歳になり、胸や腰のあたりには、すでに、おとなびたまるみがみえるが、顔つきはまだ少女のままで、張のある大きな眼にも、鮮やかに赤い、しめった唇にも、媚びや嬌羞は少しも感じられなかった。

松林の影で、宇乃の顔は青く染っているようにみえた。影に区切られた地面の向うには、初秋の午後の強い日光をあびて、伸びた雑草がいちように葉先を垂れてい、そこから、蒸れた草の香が匂って来た。宇乃は「あら」といって、吃驚したように振向いた。

「どうなさいましたの」

「宇乃こそどうした」と帯刀が微笑しながら云った。宇乃は眼を大きくまたたいた、すると、その眼はもっと大きく、はっきりと澄んだ光を帯びた。

「わたくし、どうか致しまして」