후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 167,285자 · 330화면
そのとき、とつぜん絵がわからなくなった。自分の描いた絵を見て、「これは絵ではない」と思い、絵とはどういうものか、という疑いにぶつかった。そして、自分は絵が描けなくなった、と一玄は云った。
「しかし大事なのは、絵が描けなくなったことではございません、絵はまもなく描けるようになりました」と一玄は続けた。
自分では苦心経営のうえ、一段と深い絵の精神をつかんだと思い、新らしい意気ごみで描きはじめた。ところが、世間はその絵を認めてくれなかった。
「私は謙遜に人の評を聞きました、決して自分の仕事だけが是なりとは思わない、世間のどんな人の評もおろそかには聞かず、よしと思われる評は受け入れようとしました、けれども、自分が絵のみちに深くはいってゆけると信じはじめてから、世間は私の絵からはなれ、やがて私には眼もくれなくなりました」
芸術は真に入るほど、世俗からはみすてられる。それはよく知っていたが、自分はおのれが芸術の真に入っている、とは信じられなかったし、世間から超然と生きる自信もなかった。自分の絵のどこかに欠点がある。なにか思い違いをしているのかもしれない、どこが悪いのか。