후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 167,285자 · 330화면
「知らせを受けましたので、涌谷からも人を出してあります、船岡どのもおいでになるのではございませんか」
「私は涌谷さまに申上げたいことがあるのです、検分のほうは名目のようなものです」
「では、――御案内いたしましょう、それとも、もう少しここにいらっしゃいますか」
「いや、どうぞ」と甲斐は目礼した。
兵庫が先に立って、館へゆき、大玄関からはいった。そこには家老以下、重臣が並んでおり、小姓の者二人が先導して、表ての間へとおった。書院造りではあるが、調度類は極めて質素であり、襖は無地の手漉き紙だし、床ノ間には故政宗の消息を仕立てた軸を懸け、伝来の甲冑が飾ってあるばかりだった。安芸がはいって来たとき、甲斐は、床ノ間に飾ってある甲冑を、じっと眺めていた。
安芸は五十歳になっていた。小柄な躯は痩せてみえるが、筋肉がひき緊っているし、陽にやけた膚には、壮年の人のように艶があった。――四年まえ、小石川の普請場で見たときより、髪には白い毛が多くなり、額の皺も深くなったようだが、ぜんたいの相貌はむしろ若く、精気に満ちているように感じられた。
はいって来た安芸は、そこにいる兵庫に、去れ、という眼くばせをし、わが子が去ると、斜めに坐って、甲斐に呼びかけた。