후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 167,285자 · 330화면
「そこが知りたいのです」と新左衛門は低い声で云った。
彼は伊達安芸と茂庭周防、原田甲斐との極秘の盟約について語った。安芸と周防は外部から、甲斐は兵部宗勝のふところへはいって、相互に連絡を保ちながら、酒井老中と兵部による陰謀の触手を断ち、伊達宗家の安泰を護る、という手筈であったことを述べた。
「私は涌谷さまにも、松山どのにも会って、以上の経緯を聞きました、しかし、御両所とも、いまでは船岡どのの御心底危ぶまれる、と申されるのです」
「松山がですか」と慶月院は云った、「涌谷さまはともかく、松山がそんなふうに云うとは合点がゆきませんね、いったい甲斐のどこがどのように危ぶまれるのですか」
「私は去年、青根の宿で話しあいました」
「それは知っています」
「そのとき船岡どのは、私の問いに答えてくれませんでした、私はすでに国老就任の交渉を受けており、それをお受けするについて、船岡どのの意向を知りたかったのです、御承知のように痼疾があって、余命のほどもわかりません、私で御奉公のできることなら、この首を賭けてもお役に立ちたい、しんじつそう思って相談にでかけたのです、しかし船岡どのはなにも知らぬ、涌谷、松山との盟約などもない、家中の者は火のない煙を騒ぎたてているのだ、と云うばかりで、まったく相手にならないのです」