후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 167,285자 · 330화면
玄関には只野内膳がいて、甲斐を接待に案内し、そこで少し待ってから、家老の新妻隼人が奥へ導いた。そこは小書院で、燭台が二基、明るい光を投げており、雨戸が閉っているため、蒸れるほど暑かった。
兵部は入側から、小姓に刀を持たせてはいって来た。白の生絹の単衣の着ながしで、いかにもいま夜具から出て来た、という姿だったし、その顔にも、むりに起こされた人のふきげんな色があった。兵部は座につくとすぐ、隼人に、さがっておれ、という眼くばせをし、懐紙で眼を拭いて、甲斐を冷やかに見た。
甲斐は深夜の訪問を詫び、そして東市正の消息をたずねた。兵部の子、東市正宗興は、結婚してから麻布の下屋敷に住んでいた。兵部の表情が穏やかになり、すすんでわが子の近況を語った。頬骨の高い、神経質そうな顔が、紐でもほどけたようにやわらぎ、その声までがあまく楽しげになった。甲斐はおとなしく相槌をうちながら、兵部に話したいだけ話させ、すっかり話し終ったとみたとき、ではこれで、と会釈した。
「どうしたのだ」と兵部が云った、「帰るというのか」
「お屋形さまのごようすを拝見しておちつきました」と甲斐が云った、「賜暇で保養にまいっていたのですが、なにやら胸さわぎが致しますので、門限はずれですが帰ってみますと、鬼役が三人、毒死したとか申すことで、事実さような事があっ