후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 167,285자 · 330화면
と惣左衛門が答えた、「もはや、夜明けまではおぼつかなかろう、とのことでございます」
甲斐は、よし、と頷いた。
惣左衛門はなにか訊きたげであったが、甲斐はそのまま向き直ったので、静かに去ってゆき、善太夫が甲斐に云った。
「いまのお申付けはお受けができません」と彼は云った、「現に鬼役三人が毒死しており、国老がたの評定でも、はっきり置毒の罪ときまったのですから」
「評定はやり直す」と甲斐が遮った、「置毒の事実はない、私は国老の責任で云うのだ、戻って同役の者にそう伝えるがいい、屹と申付けるぞ」
面を打つような烈しい調子であり、善太夫ははっとしたように頭を垂れた。甲斐は調子をやわらげ、こんな時刻に御苦労であったと云って、立ちあがった。
辞去する善太夫には構わず、甲斐は居間へはいって惣左衛門を呼び、丹三郎をみまうと云った。なにかみまいに持っていってやりたいが、恰好な物はないかと訊き、惣左衛門は、あとから持参する、と答えた。
「容態は危篤のもようですから、そのままおいで下さるほうがようございましょう」
甲斐は頷いて居間を出た。
塩沢のお小屋は同じ邸内であるが、甲斐の住居からは少し遠かった。