후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 167,285자 · 330화면
新左衛門は額から胸までの汗を拭き、靱負の持って来た手箱をあけて、奉書に書いたものを取り出した。これを読んでくれ、と渡されて、七十郎は盃を下に置き、坐り直して、読んだ。
一、忠言あらば卑賤の者たりとも採用すべきこと。
一、親疎によって賞罰を軽重せず、阿諛の者を大敵とすること。
一、両後見、互いに隔心なきこと。
そして後見の伊達兵部と田村右京の名が書いてあった。
「これはまえに見ましたよ」
七十郎はそう云って、紙を巻いた。それは、青根の宿で原田甲斐にも見せたことがある。新左衛門は、それを預かっておいてくれ、と云った。
「出府したら、その三カ条を、誓紙として、両後見から取るつもりだ」
「出すと思いますか」
「拒絶すれば、私は国老にはならない」
七十郎は盃を取った。そして、低い声で、この三カ条をどう役立てるのです、と無関心に訊いた。
「その時が来ればわかる」と新左衛門が云った、「誓紙を取ったら采女に送るが、その写しとして、これはそこもとが持っていてもらいたい、私は必ず取ってみせる」
七十郎は心で頷いた。これなら大丈夫だ、と彼は思った。躯はひどく衰弱してみえるが、それは浮腫がとれたからだろう、両後見から誓紙を取る、必ず取ってみせる、という口ぶりには、ねばり強い精気が感じられた。