후리가나로 읽는 일본 고전
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ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
橘 外男의 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇(ウニデスちょうりゅうのかなた)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 247,361자 · 483화면
その素知らぬ殿下の笑顔の前に、夫人は呆気に奪られて佇んでいた。船舶相も蔵相も、製鋼会社長や大使らも、それぞれに相手を擁して舞踏へ入って行ったのを見計らって、
「殿下、唯今は飛んだ失礼を申し上げまして……」
と近付いて行った。
「お陰様で、スッカリ気分も、直りまして……まことに有難うございました」
とお礼申し上げた途端に、言い出した夫人は引っ込みがつかなくなった。
「え……?」
とびっくりなさったように、殿下は一瞬眼を瞠られたが、当惑が夫人の瞳を走ったのを見られると、
「ああ結構でした。それは何よりでした」
と、急いで笑顔を作ってお頷きになった。が、それはまったく、夫人の言葉に調子をお合わせになったというほかには、言い現しようもないものであって、取って付けたような言葉というのほかはない。唖然として、狐につままれたような気持で、夫人は殿下の顔を眺めていたが、殿下はどうかしていられるのかしら? と、まったくそう思わずにはいられなかった。一瞬、人違いかしらとも自分の眼を疑ったが、今眺めている丈高い軍服姿、胸には白く十字を現したダネブログ勲章のコマンドル章を佩びられたところもさっきのままであるし、優しい眼……凜々しい口許……よく透る声……さっきまでの御親切だった殿下と、何の変ったところもない。