후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
橘 外男의 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇(ウニデスちょうりゅうのかなた)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 247,361자 · 483화면
と、初めて夫人の仏蘭西名を呼んだ。
「かまわない、かまわないから、ラルフ! 早くその女のふところをお探し! 持っている、持っている、短剣を呑んでいる」
途端に列車が、烈しい彎曲を切ったのであろう、立ってもいられぬくらい動揺する。危ない! と身を屈めた瞬間、夫人の投げた短剣が空を切って眼前に閃いた。
「キャー!」
と凄まじい悲鳴が起って、背後で誰か、倒れた気配である。仕方がない、もう一発威嚇に、硝子窓越しにブッ放す。
「ウヌ、畜生! まだ抵抗しやがるか!」
と毒蛇と探偵の一人が飛び込んで、女を抑えつける。倒れたのは、犇めいている旅客の一人であった。
「血を止めろ、早く血を! いかんいかん、誰か医者はいないかア、医者は? 列車を止めろう!」
「車掌、車掌! 車掌はいないかア?」
「女探偵だ、女探偵だ!」
「密輸入を挙げたんだ、密輸入を!」
後から後から雪崩を打って、旅客が詰めかけてくる。次長が声を嗄らして、必死にデッキの外へ追いやっている。探偵の一人が張り番に立って、やっと騒ぎが静まってきた。作りつけの蝋人形のように、凄まじい眼を剥いている夫人の内ポケットを探って、毒蛇の取り出したものは、万年筆型に仕込んだ五吋ばかりの、研ぎ澄ました短剣がもう一口……後は時計、指環等の装身具類で、大したものもない。