후리가나로 읽는 일본 고전
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ひとうとうこうき
比島投降記
石川 欣一
石川 欣一의 比島投降記(ひとうとうこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 68,333자 · 134화면
等、軍人の質問らしい質問がいくつかあった上で、大体、どこからどんな道を通ってここに来たかという質問が出た。詳しいことをここに書く必要はないけど、とにかく大変な密林の中を、雨に叩かれ、増水した渓流を数十回も徒渉し、病死者や渓流に溺れた者が次々に出る……という逃避行をしたのである。すると一人の中尉が「それは苦しい行軍だったろう」といった。その言葉が終るか終らぬかに、M少佐が「これはどうだ?」How about this ? と、ひとりごとのように低い声でいって、シャープ鉛筆の尻で、コツンコツンと地図をたたいた。見ると鉛筆の尻は、サンフェルナンドの附近に当っている。バタアンからカバナツアンに至る、いわゆる「死の行軍」を意味したのである。将校達には、これが聞えなかったらしく話はいつか、まるでほかのことに移って行き、日本の将校はポカンとしていた。
米国民のわが国に対する憎悪の念は相当に強いものと思わねばならぬ。だが米国人は執念深く怨みを持ち続けるような人々ではない。いつかは戦争のことも忘れるであろう。しかしバタアンの「死の行軍」と、真珠湾の奇襲(米国人はスニーク・アタックと呼んでいる)とは、いつまでも彼等の心に残ると思う。