후리가나로 읽는 일본 고전
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かいじょうのみち
海上の道
柳田 国男
柳田 国男의 海上の道(かいじょうのみち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 182,344자 · 353화면
現実に残っているものならば、至って幽かな切れ切れの記憶と言い伝え、むしろ忘れそこないと謂ってもよい隅々の無意識伝承を、少しも粗末にせず湛念に拾い合せて、今まで心づかずにいたことを問題にして行くだけの執心が必要であり、それには日本の民俗学徒の年来の実習が、或る程度までは役に立つであろうことも疑われない。海を故郷とする者の生活体験が、今まで比較的に省みられなかったことが事実だとすれば、その学風を一新するがためにも、やはり日本人は率先しなければならぬであろう。
今では子供も笑ってしまうような、小さな昔話ではあるけれども「鼠の浄土」の成り立ちには、一朝には説き尽されぬ歴史があったようである。我々の根の国は海の東、朝ごとの日の御影が、花のごとく空を彩る水平線の外にあって、最初は生死の別もなく、人の魂の自由に行き通う島地であったのが、次第にこちらの人の居処が移って、しかも日の出る方角が動かなかったために、いつとなく幻しの楽土と化し去ったのではないか、というようなこともまず想像せられる。それは或いは証明し難いことであろうが、少なくとも後々は是を波濤の底に隠れて、しかるべき理由のあるごく僅かな人だけが、稀々にそこを訪い、また戻って来て見聞を談り、もしくは後より派遣せられて、人間の住む国へ、数々の幸福をもたらすこともある