후리가나로 읽는 일본 고전
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こぞうのゆめ
潤一郎ラビリンスV――少年の王国
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 潤一郎ラビリンスV――少年の王国(こぞうのゆめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 71,989자 · 144화면
………きのうもよどの津に舟をうかべて、江口ともうすところに参りそうらえば、川ぞいの家々よりあまたの遊女たち水にさおさして寄りつどい候ありさま、せいしぼさちの降り立ちたまうか、楊柳観世音の仮形したまうかとあやしまれて、世にもめでたくありがたくおぼえそうらいしに、やがて千手が舟をめぐりて口々に催馬楽をうたいどよもし候えば、何にてもあれ、歌一首きかせてんやと申しそうろうほどに、一人の遊女ふなばたをたゝいて、有漏路より無漏路へかよう釈迦だにも、羅羅が母はありとこそきけと、くりかえしくりかえし、節おかしゅううたい出で候ものか。………」
その前後の文章は、千手が渾身の力をこめて、瑠璃光の道心を突き崩そうとして居るような書き方であった。生れ落ちてから十六年の後、はじめて世間と云うものを見せられた若人の、無限の歓喜と讃嘆とが、其処に声高く叫ばれて居た。或るところでは有頂天になって踊り上り、或るところでは自分を欺いて居た上人を怨み、或るところでは幼馴染の瑠璃光の為めに、昔に変らぬ友情を誓って、下山をすゝめて居るのであった。瑠璃光は今までに此れほど深い読後の印象を、経文の一節からも、他の何物からも受けた事はないように感ぜられた。