후리가나로 읽는 일본 고전
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こぞうのゆめ
潤一郎ラビリンスV――少年の王国
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 潤一郎ラビリンスV――少年の王国(こぞうのゆめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 71,989자 · 144화면
その上に又、彼は父親に死に後れた一人の老母をも養わなければならなかった。律義で小心で情に脆い貝島は、其れ等の事を始終苦に病んで、家族の者に申訳がないような気持にばかりなって居た。で、いっそのこと暮らしの懸かる東京を引き拂って、田舎の町に呑気な生活を営んで見よう。そうして少しは家族の者を安穏にさせてやりたいと思ったのである。G県のM市を択んだのは、其処が細君の郷里である縁故から、幸いにも転任の口を世話してくれる人があった為めである。
M市は、東京から北の方へ三十里ほど離れた、生糸の生産地として名高い、人口四五萬ばかりの小さな都会であった。廣い/\関東の野が中央山脈の裾に打つかって、次第に狭く縮まろうとして居るあたりの、平原の一端に位して居る町で、市街を取り巻く四方の郊外には見渡すかぎりの一面の桑畑があった。空の青々と晴れた日には、I温泉で有名なHの山や、その山容の雄大と荘厳とで名を知られたAの山などが、打ち続く家並の甍の彼方に聳えて居るのが、往来の何処からでも眺められた。町の中にはT河の水を導いた堀割が、青く涼しく、さら/\と流れて居て、I温泉へ聯絡する電車の走って居る大通りの景色は、田舎のわりには明るく賑やかで、何となく情趣に富んで居た。