후리가나로 읽는 일본 고전
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こぞうのゆめ
潤一郎ラビリンスV――少年の王国
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 潤一郎ラビリンスV――少年の王国(こぞうのゆめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 71,989자 · 144화면
お前は兄さんの癖にどうしてそう分らないのだろう」
父親にこう云われても、啓太郎は相変らず黙って項垂れたまゝ折々思い出したように、涙の塊をぽたり、ぽたりと畳へ落して居た。
「いゝえね、もう半月も前から私は何だか啓太郎の素振りが変だと思って居たんだが、ほんとうにお前、飛んでもない人間になったもんじゃないか」
老母も同じように眼の縁を湿らせながら、貝島の顔を見ると喉を詰まらせて云った。
だん/\問い質して行くと、老母の怒るのには尤もな理由があった。啓太郎は今月に這入ってから、已むを得ない学校用品を買う以外には、無駄な金銭を一厘でも所持して居る筈がないのに、時々何処からかいろ/\の物品や駄菓子などを持って来る風がある。先達も五六本の色鉛筆を携えて居るから、妙だと思って母親が尋ねると、此れは学校の誰さんに貰ったのだと云う。一昨日はまた、夕方表から帰って来て、廊下の隅の方に隠れながら、頻りに何かを頬張って居るので、祖母がそうッと傍へ行って覗いて見ると、竹の皮に包んだ餅菓子が懐に一杯詰まって居た。そう云えば此の頃啓太郎は、不思議にも以前のように小遣い銭をせびった事がない。