후리가나로 읽는 일본 고전
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
徳田 秋声의 現代日本文学館8 徳田秋声(しゅくず)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 327,364자 · 638화면
不思議なことに、猪野が横領した二十万近くもの金を吐き出しもせず、体刑で済ましたやり方の巧妙さが、とにかく土地の人の賞讃を博し、鈴弁とは比較にならぬ智慧者として、犯罪と差引き勘定をすることで、半面詐欺に罹ったものの迂濶さに対する皮肉の意味も含まれており、勝利者と敗北者への微妙な人間の心理作用でもあった。
どっちにしても寒さに向かってのことであり、猪野も神経衰弱で不眠症に陥っていたので、金と弁護士の力で、入獄は春まで延期され、彼は当分家にじっとしていたが、時も時、土地の郵便局長の公金費消の裁判事件が、新聞の社会面を賑わし、町も多事であった。
それらの事件をよそに、倉持はある時、どこか旅行でも思い立ったように、何かぎっちり詰まった鞄を提げて、船で河を下り、町に入って来た。
いつもの出先から、女中が走って来て家を覗き、
「寿々龍さんいるけ。」
鏡台の前で鬢をいじっていた彼女が、振り向くと、
「倉持さん来たから、早く来な。」
銀子が顔を直し、仕度をして行ってみると、薄色の間の背広を着た倉持は、大振りな赭い一閑張の卓に倚って、緊張した顔をしていたが、看ると鞄が一つ床の間においてあった。