후리가나로 읽는 일본 고전
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
徳田 秋声의 現代日本文学館8 徳田秋声(しゅくず)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 327,364자 · 638화면
葉子は博士が来てくれることを知ってから、にわかに顔色が晴れた。ちょうど庸三は煙草を買いに、事務室のところへ来ていたが、そこへ目の大きく光った博士がおずおず入って来て、慇懃に言葉をかけた。
「お見舞いに上がったのですが……。」
「お忙しいところ恐縮でした。どうぞ。」
和服姿で肱掛椅子にかけたところは、博士はいかにもどっちりした素朴な中年の紳士であった。
葉子はじめじめした時雨が退いて、日光が差したように、枕のうえに上半身を擡げて、「先生!」とさも親しげに呼びかけながら、庸三をそっち退けの、朗らかな声で話しかけたが、博士は庸三に気を兼ねるように、むしろ話のはずむ彼女に目配せしたいような目つきで、穏やかに受け答えをしていた。話は大体博士の洋行中の生活に関することであった。
やがて紅茶を啜ってから、診察に取りかかった。患者として扱いつけられたという以上の焼きつくような、しかし博士の良心によって適当に節制された愛の目の微笑み合っていることは、少し薄暗い電気の光りでは、庸三の目にそれと明白に映るわけには行かなかったが、毛布の裾をまくってとかく癒りのおそい創を見る時になって、彼は急いで部屋の外へ出てしまった。