후리가나로 읽는 일본 고전
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
徳田 秋声의 現代日本文学館8 徳田秋声(しゅくず)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 327,364자 · 638화면
、どこまで霊妙に鍵盤を馴らしきっているかと思われた。
葉子は最初から小河内夫婦の存在に気づいていた。それがちょうど二人の座席から二列前の椅子で、ちょうどこっちからその頸筋と、耳と片頬と顎が斜かいに見えるような位置にあった。庸三は少し尖りのある後頭部から、強い意志の表象でもありそうな顎骨のあたりを、辛うじて見ることができたが、時々そっちへ惹き着けられている葉子の目も何となく彼の感じに通った。やがて休憩時間がおわった時、二人の横を通って座席に帰って行く夫人と葉子と挨拶を交した。
静粛な演奏会がやがて終りを告げたところで、庸三は聴衆の雪崩れにつれて、ずんずん廊下へ出たが、振りかえってみると葉子の姿が見えなかった。多分オーケストラ・ボックスの脇を通って、南側の廊下へでも出たのだろうと思って、その方へも行ってみたが、そのころにはそこにもすでに人影もみえなかった。しかし葉子が角のところへ姿を現わし、彼を呼んでいたのもその瞬間であった。
「私さっきから先生を捜していたのよ。立ちがけにちょっとあの人たちに挨拶している間に、ぐんぐん行っちゃって……。」
後に左翼代議士の暗殺された神田の下宿は、葉子にも庸三にも不思議な因縁があった。